安全運転管理者制度とは
事業所は、公共の道路を利用して自動車を運行させることによって大きな利益を享受しています。その反面、自動車は常に交通事故を起こす危険性をもっており、ひとたび事故を起こせば、事業所等は社会的信用の失墜など多くの損失を被るだけでなく、社会にも大きな迷惑や損害を与えることになります。
このような背景から、道路交通法(以下「法」という)では、一定の台数以上の自動車を使用する事業所に対して、自動車の安全な運転に必要な業務を行わせるために、安全運転管理者を選任させ、事業所等における安全運転管理の責任の明確化と、交通事故防止についての体制の確立を図ったのです。
これが、「安全運転管理者制度」と言われるものです。
安全運転管理者の業務
運転者の適性等と法の遵守状況の把握
自動車の運転に関する運転者の適性・技能・知識や、道路交通法および同法に基づく命令の規定や法に基づく処分の運転者による遵守状況を把握するための措置を講じること。
運行計画の作成
運転者が最高速度違反、過積載、過労運転の防止、放置行為をすることを防止し、その他安全な運転を確保するために自動車の運行計画を作成すること。

交替運転者の配置
長距離運転または夜間運転となる場合、過労等により安全な運転ができないおそれがあるときは交替するための運転者を配置すること。
異常気象時等の措置
異常な気象、天災その他の理由により、安全な運転の確保に支障が生ずるおそれがあるときは、安全確保に必要な指示や措置を講ずること。

点呼と日常点検整備
運転者に対して点呼等を行い、日常点検整備の実施や正常な運転ができることを確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与えること。
運転者に対する酒気帯びの有無の確認
運転前後の運転者に対し、酒気帯びの有無を目視等で確認すること。(令和4年4月1日施行)
アルコール検知器を用いて確認を行うこと。(令和4年10月1日施行)
酒気帯び確認内容の記録等及びアルコール検知器の有効保持
運転前後の運転者に対する酒気帯びの有無(検知結果)の内容を記録し、その記録を1年間保存すること。(令和4年4月1日施行、なおアルコール検知器を用いての確認は令和4年10月1日施行)
アルコール検知器を常時有効に保持すること。(整備・保管)(令和4年10月1日施行)
※令和5年12月1日からアルコール検知器使用が義務化されました。
運転日誌の備付け
運転者に対し、自動車の運転に関する技能・知識その他安全な運転を確保するため必要な事項について指導を行うこと。

権限を与え、法定講習を受講させる
選任された安全運転管理者、副安全運転管理者(以下「安全運転管理者等」という)には、法令で定められた安全運転管理業務を行うために必要な権限を与えなければなりません。
また、使用者は安全運転管理者等の自己啓発を促し、効果的な安全運転管理ができる能力を身につけるために、公安委員会が行う「安全運転管理者等に対する講習」を受けさせる義務があります。(法第74条の3第7、8項)
